モースと辻占煎餅
日本での功績
動物学者エドワード・モース(1838~1925)は、明治10年(1877)大森貝塚を発見し、日本の考古学発展に大きく貢献した人物です。
モースは東大で動物学を講じる一方、日本の風俗に並々ならぬ関心を示しました。著書『日本その日その日』(平凡社東洋文庫)では国内の様々な事物に触れています。菓子にも少なからず興味を持っていたようで、同書には子供相手に菓子を売る行商の姿を描写した記述もあります。
辻占にも着目
明治16年(1883)の項では「辻占煎餅」のスケッチがつくはね(羽根突きの羽根)形で描かれています。辻占煎餅とは江戸時代から作られている占い紙入りの煎餅です。モースはこれを「ある種の格言を入れた菓子」として「糖蜜で出来ていてパリパリし、味は生姜の入っていないジンジャースナップ(生姜入の薄い菓子)に似ていた。」と書いています。さらに「私は子供の時米国で、恋愛に関する格言を入れた同様な仕掛けを見たことを覚えている。」と言及しています。
この記述から、日本の江戸末期にあたる頃、すでに米国でも辻占煎餅と似たものが存在したことがわかり、興味を覚えます。また現在も米国始め各国にみられるフォーチュンクッキーとの関連も気になるところです。
なお帰国後のモースは米国北東部セイラム市のピーボディ-博物館長となり、日本で収集した民具類を展示し、異文化紹介にも尽しました。そのなかには、未開封のまま保存された四角い瓶入りの金平糖もあります。
※この連載を元にした書籍 『和菓子を愛した人たち』(山川出版社・1,800円+税)が刊行されました。是非ご一読くださいませ。(2017年6月2日)
辻占については、以下でも取り上げています。詳しく知りたい方は、ぜひご覧ください。
機関誌『和菓子』11号 辻占菓子についての一考察―運をひらく・縁をむすぶ―(中町素子)
機関誌『和菓子』についてはこちら。
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