与謝蕪村筆「初夏之山水図」 天明2年(1782)

2026.05.07

菓子資料室 虎屋文庫では虎屋歴代の古文書や古器物に加え、菓子に関わるさまざまな資料を所蔵しています。このコーナーでは、その一部をご紹介していきます。
初夏之山水図(570㎜×1870㎜)

文人画とは、俳人、詩人、文筆家などが描いた絵画のことで、芸術家の精神性、世界観の表現や、職業画家にはない味わいが魅力です。
与謝蕪村(よさぶそん・1716~1783)は、松尾芭蕉、小林一茶と並び称される江戸時代を代表する俳人で「春の海ひねもすのたりのたりかな」「菜の花や月は東に日は西に」の俳句で知られています。絵は独学ながら、中国絵画を研究した抒情的な画風で人気を博しており、文人画でも巨匠といえるでしょう。
写真の作品「初夏之山水図」は、高さ190cm近い山水画です。幾重もの山の風景には、小さく庵と人物、橋を渡って庵に向かう人物も描かれています。自然にかこまれた静かな住まいで、本を読んだり友と語らったりして過ごしたい。近くに流れる川のせせらぎを聞きながら…というスローライフの理想の姿でしょうか。
「壬寅夏六月(1782年6月)写於白雪堂」亡くなる半年ほど前の年紀が記されています。

「初夏之山水図」は、2026年4月18日(土)から5月17日(日)まで、虎屋所蔵品展「山を望む」(於・虎屋 京都ギャラリー)にて展示しております。この機会に是非ご覧くださいませ。
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